事例紹介

大手複合機メーカー 様

問合せの範囲が広く、複雑な内容が多いテクニカルコールセンター。オペレーター向けのチャットボット導入により電話での解決率が向上し、お客様の不便な時間を短縮化。

▷ 新人オペレーターのAHT※1と挙手率の低減(AHT▲58秒、挙手率▲10.6pt)により、
業務難易度起因の新人離職率ゼロを実現
※1 平均処理時間...オペレーターがお客様からの問い合わせを処理する時間の平均
※「業務を続けていく自信がなくなった」ことによる離職

▷ 電話での解決率(テレメンテナンス率)1.65倍に増加により、お客様の負担軽減を実現

取り組み背景

テクニカルコールセンターで抱えていた問題とは?

  • 業務難易度の高さが、新人オペレーターの離職を招く

    取り組みの背景となったのは、インターネットの普及と顧客のライフスタイルの変容が挙げられます。複合機の修理受付を行うテクニカルコールセンターには、機器の故障やトラブルによって印刷やコピーができなくなり修理を急ぐお客様から多くの問合せが入ります。複合機には様々な機能があり、機種や型ごとに操作や対処方法が異なります。問合せ内容が複雑になればなるほど、対応するオペレーターには高い業務習熟度が求められました。
    そして、新人オペレーターにおいても同様の習熟度が必要なことから、新人の稼働が安定するまでに時間が必要でした。
  • フォローアップ研修などの施策では問題が解決しなかった

    そこで、新人オペレーターへのフォローアップ研修や、 処理効率の悪いオペレーターを1チームに集め管理、処理に慣れたベテランオペレーターによるOJTなどの施策を実施。しかし、一定の改善効果は見られたものの、一部の新人オペレーターは負担解消に至る前の成長過程で離職。新人オペレーターに業務知識や効率的な処理方法を教える機会を増やすだけでは、問題は解決しませんでした。解決するためには、OJTだけではなく業務に必要なマニュアルや検索ツールを整備し、新人オペレーターでもすぐにナレッジを見つけることができる環境作りが必要でした。

施策

テクニカルコールセンターの課題とその背景

  • 課題の詳細① 新人の離職率を改善し、オペレーターの稼働を安定させる必要がある
  • 課題の詳細② オペレーターの稼働を安定させ、電話での解決率(テレメンテナンス率)を向上させたい
  • 課題の詳細③ 上記問題解決のため、オペレーターの業務環境を整える必要がある

取り組みのポイント

着目したのはチャットボット(バーチャルエージェント®
導入件数が伸長していたバーチャルエージェント®をオペレーター向けに転用。当時はお客様向けのツールとして導入されるケースがほとんどでしたが、オペレーターが探しているマニュアルや情報を引き出してもらえるようカスタマイズができるのではと考えました。オペレーター向けの活用は初めてでしたが、お客様向けで十分な導入実績と設計・運用のノウハウがあったことから、ポテンシャルは高いと考え導入を推進しました。

成果

継続したメンテナンスとその成果

バーチャルエージェント®は「マニュアルとオペレーターの橋渡し」と位置づけました。
そのため、チャットボットの正答率を上げるために実施するナレッジのメンテナンスでは、利用するオペレーターが直感的にキーワードを入力し調べられるツールにすることを重視。
利用する際も、管理者からオペレーターに対しツールの使い方についてのレクチャーは一切行っていません。
また、メンテナンス担当者を決め、検索ヒット率や回答結果の精度の向上を図りました。結果、半年後にはコンテンツの数が導入当初の5倍、検索ヒット率も26ptアップしました。

新人の離職率が低減

オペレーターの習熟度に依存せず顧客対応ができるようになり、導入2か月後には新人オペレーターのAHT※1と挙手率が低減(AHT▲58秒、挙手率▲10.6pt)。
負担感も減り、「業務を続けていく自信がなくなった」ことによる離職はゼロとなりました。 また、新人オペレーターへのフォローや採用にかける工数が減ることで管理者の工数も自ずと減少しました。
※1 平均処理時間...オペレーターがお客様からの問い合わせを処理する時間の平均

電話での解決率向上が、お客様のストレスを軽減

さらにマニュアルや情報の検索性を改善したことで、エンジニアが訪問しなくても電話で解決できる問合せが増えました。企業としてのコストメリットは非常に大きいですが、何よりお客様にとって、エンジニアの訪問を待たずに電話で即時解決できることは、非常に大きな意味を持ちます。使えず困っている時間を短縮化でき、企業側とのやり取りの手間がなくなることにより、お客様のストレスも減少します。それも、1本の電話だけで解決できるとなると、お客様の企業に対する印象もずいぶんと変わってきます。

今後の取り組み

  • CX創造を導くさらなる環境づくりに向けて

    今後の展望としては、センター内に蓄積するデータの分析結果から、必要なコンテンツの精査とメンテナンスを行うことで、さらなる電話での解決率の向上を目指します。お客様をお待たせすることなく、お困り時間を最短化し、お客様に寄り添った対応を目指す。そのためには、お客様だけではなく、コールセンターで働くオペレーターや社員もストレスなく仕事ができる環境を創りあげる必要があります。当社はこれからもこのようなコールセンターにおける課題を一つ一つ解決していくことで、CXの創造を目指します。

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