事例紹介

コストコホールセールジャパン株式会社 様

顧客特性を見極め、デジタルチャネルの導線と運用を再設計することで、新たな顧客接点の拡充とCX創造に成功した事例をご紹介します。

<当社受託業務内容>商品やサービスに関する問合せや在庫確認等のカスタマーサポート

<お客様企業について>
事業内容:会員制倉庫型店
コストコミッションステートメント:
To continually provide our members with quality goods and services at the lowest possible prices.
会員様に、高品質の商品とサービスを、できる限りの低価格で提供し続けること

<成果>▷ 顧客特性に応じた問合せ導線の見直しにより、Webチャネルのポテンシャルを発揮させ、Webチャネルにおける新しい顧客接点の創出を実現。
入電数⇒1/3減少 チャットボット流入件数⇒5倍増加 有人チャット流入件数⇒26倍増加
▷Webサイトから電話への導線を削除しつつも、デジタルチャネルによる対応が好感され、顧客満足度92%を達成。

取り組みの背景

コストコホールセールジャパン株式会社様では、顧客数の増加に伴い、コンタクトセンターへの入電も増加傾向にありました。チャットボットや有人チャットを導入し効率化を図るも、新型コロナウィルス感染症拡大を起因としたオンライン上での問合せや購入ニーズの増加により入電数は減少せず、特に電話ではなくても対応できる「在庫確認の問合せ」の入電数が多く、センターはひっ迫した状況でした。また、コストコホールセールジャパン様が企業理念として掲げる『コストコミッションステートメント』は、高品質と低コストの両立の実現を目指しており、これはコンタクトセンター運営にも求められていました。企業理念に立ち返り、コンタクトセンター運営のスリム化が顧客への還元につながると考え、顧客視点に立ったチャネル設計の見直しを行うことを決定しました。

課題

  • Chat 問合せ導線の最適化

当初、Web上の同じページにチャットボットと有人チャットが併設されていたため、顧客はどちらを利用してよいか分からない状態でした。また、Web上には電話番号も記載されていたことから、必然的に電話への流入が多くなっていました。電話のひっ迫を解消するには、チャットボットや有人チャットの利用促進が不可欠で、そのため問合せ導線の再設計が必要でした。
  • Chat 電話以外のチャネルでの問題解決力向上

コストコホールセールジャパン株式会社様は郊外に店舗展開されているため、目的の商品を無駄なく購入するために事前に在庫確認を問合せする傾向がありました。入電内容を詳しく分析した結果、全入電の約30%を在庫確認が占めていることが判明。電話以外のチャネルで対応できないか検討が必要でした。
  • Chat 有人チャット対応の生産性向上

元々導入していた他社の有人チャットツールでは、機能的理由により有人チャットのメリットである同時複数人対応を享受できていませんでした。Webでの問合せ対応の生産性向上に向けた施策が求められていました。

具体的な施策

  • Chat 顧客を見極めたチャネル設計

まず、サービスを利用する顧客の多くがデジタルリテラシーの高い30-40代であったため、利用が期待できるチャットボットをWebのカスタマーサポートページの入口に設置。問合せの一次対応をチャットボットで行うことで自己解決を促すとともに、そこで解決できない個別の相談は有人チャットや電話へ振り分ける導線に変更しました。また、有人チャットの対応内容をチャットボットのナレッジに活用し、自動対応領域を拡充させることで、有人対応への問合せを絞るといった取り組みも実施しました。さらにチャットボットの利用増加を確認したうえで、電話番号の表記をWebサイトから削除し、問合せ対応をWebに集約しました。
  • Chat 有人チャット対応の生産性アップ

在庫確認に関する問合せは、チャットボットで受付し、対応を有人チャットのみに変更。電話から問合せがあった場合は、IVRでWeb誘導するアナウンスを実施しました。また、チャットボットから有人チャットへ転送する前に、チャットボット上に顧客が在庫確認したい商品や店舗を入力するフォーム(【図1】)を設けることで、オペレーターは問合せ内容を事前に把握し有人チャットにおける工数の削減を図りました。


【図1】在庫確認入力フォーム

  • Chat 複数同時対応の効率性UP

有人チャットのツールをりらいあデジタル株式会社が提供する「Virtual Agent Live」に切り替え、同時複数対応を行える環境を構築しました。さらに対応件数の多い在庫確認の問合せについては、専任チームを編成。特定の問合せに集中できるため、効率的なオペレーションが可能となりました。併せて、有人チャットにおける、同時対応件数を在庫確認の問合せチームは3件、それ以外のチームは2件というKPIを設定しました。これにより、有人チャットチャネルでのオペレーションがうまく機能しているかどうかを定量的に測定し、改善を図る体制を整えました。

成果

各施策により、顧客の問合せチャネルが電話からチャットボットへ変わり、施策開始前と比べて入電数は1/3減少、チャットボットへの流入数は5倍増加しました。さらに、複数人同時対応や具体的なKPI設定を行ったことが奏功し、有人チャットの問合せ件数は26倍増加。これまでタッチポイントを持てていなかった新たな顧客との接点を創り出すことができました。また、問合せ件数の増加にもかかわらず、Web上での顧客対応にシフトしたことで、チャネル全体での問合せ対応にかかるコストが1/4削減しています。 現在はさらなる施策として、Web上に新たな機能を追加し、これまでの顧客からの問合せに対する対応だけではなく、購入前サポートやマーケティング活動などを実施することで、プロアクティブな顧客対応の実現を検討しています。

顧客ニーズを見据えた業務設計は、企業側にメリットをもたらすだけでなく、顧客のCXにも影響を与えています。在庫確認に関する問合せをすべてWeb上での対応に切り替えたものの、顧客満足度は92%と高い結果となり、CX創造に貢献しました。

CXを生み出すりらいあのコンタクトセンター

顧客のライフスタイルの変化により、いつでもどこでも問合せができることが当たり前になりつつある今、デジタルチャネルの拡充は避けて通れません。一方、顧客のニーズを把握し、的確なチャネル設計を行なった上でデジタルチャネルの拡充を行わなければ、かえって利便性を損ない、CXを低下させかねません。
当社では長年培ったノウハウを生かし、CX実現に向けた最適なチャネル設計とセンター運営を提案します。コンタクトセンター運営の効率化やCX向上にお悩みの方はぜひご相談ください。

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