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カスタマーサポートにおけるDX(デジタルトランスフォーメーション)推進のステップとは?

コラム

2020.08.31

テクノロジーの進化に伴い、 DX(デジタルトランスフォーメーション)の動きが高まっています。

その動きは官公庁にも及んでおり、民間企業にデジタル化を促してきた経済産業省からはDX(デジタルトランスフォーメーション)推進体制に向け具体策をまとめた「経済産業省のデジタルトランスフォーメーションについて」が公表されています。

とはいえ、世界的にも導入事例がまだ少ないため、自社でどのように推進していけばいいかわからないといった悩みもあるでしょう。そこで今回は、DX(デジタルトランスフォーメーション)の定義やカスタマーサポートにおけるDX(デジタルトランスフォーメーション)推進のステップについて解説します 。

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?

DX(デジタルトランスフォーメーション)とはDigital transformationの略です。
平成 30年 に『デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会』が発表したレポートでは以下のように定義しています。

「企業が外部エコシステム(顧客、市場)の破壊的な変化に対応しつつ、内部エコシステム(組織、文化、従業員)の変革を牽引しながら、第3のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術)を利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネス・モデルを通して、ネットとリアルの両面での顧客エクスペリエンスの変革を図ることで価値を創出し、競争上の優位性を確立すること」
※参照文献:デジタルトランスフォーメーションレポート~IT システム「2025 年の崖」の克服と DX の本格的な展開~

つまり、IoTやAIなどのテクノロジーを駆使することで今までになかったサービスや商品を生み出し、ビジネスモデルや市場に変革をもたらす考え方のことをいいます。
実際に導入に成功している代表的な企業のひとつが『Uber』です。
これまで、人が目的地へ移動する場合、自家用車を使ったり、路上で手を挙げタクシーを利用していました。しかし、『Uber』の開発したアプリにより、車に乗りたいユーザーと配車が可能なドライバーとのマッチングが可能となり、誰でも簡単に、安く目的地に到達することができるようになりました。その結果、自家用車やタクシーを使わず、より簡単に移動が可能となる新しいビジネスモデルができあがりました。
『Uber』のように、デジタル技術を用いて、これまでにないビジネスモデルを構築する企業は、今後さらに増えていくことが予想されます。第4次産業を迎えつつある現代社会のなか生き残りを図るためには、企業全体としてDX(デジタルトランスフォーメーション)を推し進めていくことが必要です。

カスタマーサポートにおけるDXへのステップ

こうした市場の変化を受け、カスタマーサポートの分野においてもDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の必要性が増しています。

昨今の顧客の行動を見ると、24時間365日場所を問わず利用できるスマートフォン・タブレット端末・PCを活用し、問合せを行う傾向にあります。電話だけでなくLINEやアプリなどのデジタルチャネルを自身の状況に応じて使い分けているのです。そのため、カスタマーサポートにおいても顧客の行動に合わせたチャネルの構築と連携が必要です。

もし企業への問合せが電話のみであった場合、「営業時間内でしか問合せができない」「混雑時はつながりにくい」などのストレスを与えてしまい、CX(カスタマーエクスペリエンス)低下を招く可能性があります。

しかし、顧客の使用するデジタルチャネルを導入、連携させ、チャネルを跨いだエフォートレスな顧客対応を実現した場合はどうでしょう。顧客はまるでひとつのチャネルを使っているかのようにストレスなくサービスを利用することができます。好きな時間・場所で、スマートフォンひとつで、カスタマーサポートを受けられる。この利便性は顧客のCX(カスタマーエクスペリエンス)向上につながるため、企業においてもメリットになります。

では実際にどのようにDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進していけばいいのでしょうか。




DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するには3つのフェーズがあり、段階を踏んでいく必要があります。

最初のステップは、『デジタライゼーション』です。コールセンターをはじめとするカスタマーサポート業務では、紙のマニュアルや、通話時の音声などのアナログデータを扱うことが多くあります。しかしアナログデータは定量化、及び分析することが難しく、他のツールへの活用に不向きです。そのためまずはアナログデータをデジタル化することが求められます。

次のステップは顧客体験や業務を変革する『デジタルイノベーション』です。デジタル化されたデータはチャットボットやRPAなど必要なツールに組み込むことが可能となります。データにより最適化されたツールを導入し、チャネル間でのデータ連携を行うことで、よりシームレスな顧客体験の提供が実現します。 そして『デジタライゼーション』『デジタルイノベーション』を通じ『デジタルトランスフォーメーション(DX)』が実現します。デジタルツールを活かしたカスタマーサポートを提供することで運営全体の仕組みが変化していくのです。

例えば、まずチャットボットを導入し、簡易的な問合せの対応を行います。すると、簡易的な問合せ対応を行っていたオペレーターはヒトでないと対応できない業務へ注力できるようになり、お客様ひとり一人に向き合った顧客対応が可能となります。カスタマーサポート業務のすべてをヒトが行う必要がなくなれば、簡易的な問合せ対応はチャットボットやwebが、複雑な問合せはヒトが行うようになり、運営全体の構造変化に繋がります。

しかし、当社が日々お客様企業と多くの会話を重ねる中でよく耳にするのは、『デジタルトランスフォーメーション』の実現を目指しているものの、現実は『デジタライゼーション』から『デジタルイノベーション』へ移行しているフェーズだということです。 『デジタルトランスフォーメーション』はいきなり実現できるものではなく、前述のステップを踏んで推進していく必要があります。

このように考えると、DXの推進はとても長く険しい道のりだと感じますが、ネットとリアルの活用による顧客への新たな価値提供をDXと考えた場合、コールやメールなどの既存チャネルの効率化や利便性向上のためにデジタル技術を活用することもDXの推進と言えます。コールセンターにおいて、既存のチャネルの運用効率は顧客への価値提供に大きな影響を与えます。そのため、デジタル技術を用いたセンターの効率化も、DX推進のひとつといえます。

当社では、将来のDX(デジタルトランスフォーメーション)実現に向け、お客様企業の現状を把握し、必要なデータ活用とデジタルチャネルのあり方をご提示する「りらいあ オムニチャネル診断サービス」をご用意しております。

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まとめ

近い将来DX(デジタルトランスフォーメーション)は、業種業界問わず当たり前な概念となるでしょう。カスタマーサポートにおいても例外ではありません。アナログからデジタルへ移行するためのデータ収集や自社に合ったデジタルツールの実装など、まずは基盤を固めることが、DX(デジタルトランスフォーメーション)実現の鍵となります。